マッチが(残ってい)ないジャズ喫茶(9)

朝霞

昭和27年から営業しているというからもう50年以上も続いているジャズ喫茶が
埼玉県朝霞市にあるというので行って来た。 Webサイトがあってそこにある地図(この地図そのままでは駅の場所がわからないので縮尺を大きくする必要あり)を頼りに東武東上線朝霞駅南口を延々10分とあるが殆ど何も無い道路沿いを歩いているとそれ以上掛かった気がした。 店は左のような2階がハーフティンバーのヨーロッパ風で、入り口横には大きくJazzの文字が見える。中は広くて控えめの音ながら真空管アンプでジャズが鳴っていた。スピーカーはJBL。 レコードやCDのコレクションがどこにあるのかよくわからないがどうもスピーカー前のカウンターの下にあるようだ。 そのカウンターの前にはグランドピアノがあってライブも時々あるそうだ。その奥の壁は一面LPが飾られていて1枚1枚ウムウムナルホドと眺めていくのが楽しい。
キッチンのカウンターの上には古いレコード盤が飾りに留めてあり、ドーナツ盤を同じように留めていた大村憲司の高校時代の部屋を思い出す。その前でだべっているのは左がこの店の店主(2代目らしい)と右は不明ながら、ひとしきり話したあと、じゃあとそのままキッチンの右奥にある自宅への扉からご帰宅と相成った。 ウーンうらやましい。上の写真のスピーカーの左に見えているのが店主の自宅への扉なのだ。
道路に面した壁に掛けられたイラストも楽しい。その両端にの窓ガラスは左がピアノの鍵盤、右がトランペットを吹く姿のレリーフ  
であって細かいところまでのこだわりが嬉しい。(2005/3)

青山

月光茶房
青山通りを表参道から外苑前方面に行き、ブルックスブラザーズを過ぎたあたり
を左に曲がり、ずんずんいくと、新しく店ができている道にぶつかる。それを右に曲がって直ぐなのだが、一度は見落としてこ行き過ぎてしまい、今度は注意して道を戻ると、アリマシタ! 新しいビルのセットバックになったところにこんな控えめな看板が出ていたのだった。 この看板の後ろをぐるっと回って階段を地下に下りていくと階段の正面は美容室で、その左にガラスの内側にCD棚とオーディオ装置が見える。 左側を奥に入って行って右側が入り口なのだが、左側に別の店があって扉の間の間隔が狭いからどう扉を開けるのか一瞬迷う。 これは襖開きなのだね。
中に入ると長いカウンターがあり、右のガラスの内側はオーディオ設備のほかにPCも置いてあってオフィス風になっている。スピーカーはブックシェルフタイプが天井から吊り下げてあり、壁にはノルウェーのミュージシャンの写真が張ってある。さては流れているジャズも北
欧だな。新譜CDらしいのが店の奥の赤い壁に洒落た
ディスプレイで飾ってある。 丁寧に淹れてくれる美味しいコーヒーは一人一人違う趣味の良いカップで出される。日によって種類の違うシフォンケーキもある。都会のジャズオアシスのこの店のWebページにある地図を頼りにして探したのだが、判りやすい地図ではないので要注意。(2005/4)

横浜

あざみ野

Cafe Vartan
東急田園都市線あざみ野駅から10分ぐらい歩いて、道路からは行った住宅街
のなかにあるこの店はJazz喫茶ではなく写真のとおりの普通の喫茶店なのだ。 だけど店内で掛かっているのはちゃんとしたジャズで私が行ったときもソニーロリンズのCDが音量は控えめながらしっかり鳴っていた。 コーヒーは美味しいし、ケーキなどのデザートもいろいろあるから、本を持ち込んで居間の気分でジャズを聴くのというのが良いね。

この店のWebページが有った気がしたが見つからず、 紹介頁があった。上の緑のはこの店のカードで地図も分かりやすい。

→今はないようだ。

国立

オレンジハウス
すえひろ亭
国立といっても立川から南武線で3駅目の谷保で降りて直ぐのところにある。
国立駅から大学通りを南にまっすぐ来てもここに着くはずだが結構遠い。その大学通りを北に行くと楕円の看板が見える。その右が駐車場でその奥に入り口がある。 ここだけ見てもジャズ演奏があるかどうかわからない。 中に入ると演奏は1回のフロアーだとのこと。 真ん中の比較的大きいスペースの前で演奏があるようで、その周りに小部屋がいくつかある。 ステージのある部屋にはテーブルが空いてなくてその小部屋のひとつに案内された。 ここでは演奏が見えないのが残念だが、まずは食事を頼もう。老舗の洋食屋だそうでさすがにメニューが豊富だ。 何を頼んだったか忘れてしまったが、美味しかったことだけ憶えている。
そうこうしている内にチューニングの音が聞こえてきた。 ステージを覗いてみるとギターデュオらしい。 始まった音楽はMethenyとHallとまでは行かないが、スタンダードの歌もの中心に静かにスイングする演奏だ。まだ食事の途中なので小部屋に取って返し、演奏を聞きながら食事を楽しんだ。 レストランの環境の中ではギターデュオというのはサイズ的にも音量的にもぴったり来るものだ。 終わって外に出るときレジの横にもうひとつ出口があることが分かったが、こちらにはジャズという看板が出ていて、(右の写真の右下にJazzNightとある)どうもこちらが正面入り口のようだ。 Webサイトもありライブスケジュール、メニューも掲載されている。

三軒茶屋

Uncle Tom
三軒茶屋駅を出て国道246に交わる割に広い商店街を南にいくと左側にこの
店がある。表に出ている看板にJazzの文字を見つけると心が躍る。 自転車が留めてあったりするのがぶらなくていい。黒い看板は普通というべきものだがドアの上の黄色い看板が文字のデザインも垢抜けてかっこいい。真正面からの写真では白く飛んでしまっているが下のようなレモンイエローなのだ。
中に入ると左側にカウンターがあり、右にはテーブル席が少し。 カウンターの中のレコードコレクションが嬉しい。1500枚ぐらいあるというが、2004年10月で開店から27年になるというから由緒ある店なのだ。 そこに初めて入ったわけだが、まだお客さんがいない状態だからテーブル席に離れて座るのはなんだか落ち着かないのでカウンターの端に腰掛けた。 レコードでJBLのスピーカーから流れるジャズの音色は暖かくて気持ちが良い。 そうこうしている内に次々と入ってくるお客さんはどうも常連の方々のようで自然に盛り上がってくる。 目の前にはアルコール類が沢山並んでいるのだが私はコーヒーをお願いする。 その昔はもっと早い時間からJazz喫茶としても営業していたそうで、コーヒーの注文にも気持ちよく応じてくれるのが嬉しい。 こんな店が近くにあれば入り浸るだろうと思う大人のくつろぎ空間だ。 Webサイトもある。 リクエストはできないと書いてあるが、マスターが客の好みや体調も考えてレコードを選んでいるのだからナルホド次はこう来たかとにんまりしながら楽しめるからそれでいいのだ。

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