マッチが残っていないジャズ喫茶(1)

マッチは有ったのだが残っていないところも有るが、そもそもマッチを置いていない店も多い。

そう言う店では徳用マッチが置いてあるのだ。 今なら100円ライターだ。

東京新橋 Red Pepper

東京ビッグサイトからゆりかもめで都心に戻ってくると新橋に着く。 もう夕方になっているとジャズ喫茶に寄って帰ろうと思い、Red Pepperに行ってみる。 ところがここにあったはずという場所には店がない。 えーっ、もう潰れたのか。 やっぱり文化不毛の場所新橋は無理だったか。 疲れた足で家に帰り付き、Red PepperのHPをアクセスしてみると健在で、なんと場所が変わっていたのだった。
 次のビッグサイトの帰りに早速寄ってみた。

道路に置いてある看板は前と同じで、目ざとく見つけると旧友に会ったような気分でやー元気だったかと挨拶したくなる。

階段の降り口にある看板。
カウンタとテーブル。 前の店より少し細長いが前より落ちついた雰囲気の店内は居心地が良い。 マスターに聞いてみると、前の店は大雨の日水没したのだそうだ。あそこでずーっとやるつもりだったが、やむなく引っ越したとのこと。
グランドピアノとドラムセットが。前の店はアップライトピアノだったからグレードアップした。 壁に飾ってあるのはジャズクラブのTシャツ。 夕方から本日のライブバンドがリハーサルを始めた。 トロンボーン、テナーサックス、バルブトロンボーン/トランペットにピアノトリオという編成の面白いグループ。 曲目は我々のバンドと良く似たもので楽しく聴く。 リハーサルだという事で当然チャージ無しで1時間ほど聴けたのはラッキーだった。



<<以下は前回のレポート>>

日本橋の丸善でペーパーバックフェアがあるというので、ちょうど仕事が大手町であったついでに寄ってみたらフェアであってバーゲンではなかった。 特に安くないのだったら普通のペーパーバック売り場のほうが新しいものも有って生きがいい。 その所為か全然客がいない。 ちょっとがっかりしたがなに、こちトラは新しいジャズ喫茶を訪ねるという楽しみが取ってあるのだ。 日本橋から新橋まで銀座線に乗り、番地を頼りに歩く。 (この時はまだ下に書いたジャズ徒然草を知らず、地図も無かったのだった。)
 新橋の山の手内側を南に歩くと目指す番地があったがそれらしきものが無い。と思いきや入り口を入ったところに右のような赤い看板が見つかった。 階段を降りるとその右のような扉がある。
 壁には「文化不毛のオジさんの街、新橋に忽然と出現」というコピーのチラシが張ってある。開店のときに配ったものだろうか。
スピーカーはJBLでBlueNoteのルードナルドソンがかかっている。 Rudy Van Gelderの音が実に昔のジャズ喫茶の雰囲気がして心地よい。 そのあとはBlueNoteのArt BlakeyでPee Wee Marketの司会入りのAt the BirdLandだからこれまたルードナルドソンだ。 コーヒーは、ジャズ喫茶らしい味だが美味しいほうだ。 そろそろ帰ろうとするとマスターがライブの案内をしてくれる。 落語のライブも有るが、金曜日はプロのライブ、土曜日は2時からジャムセッションをやるそうだ。 ライブのときはスピーカーを動かすと言っているが、戻したとき音のバランスが狂って困るのではないかとも思う。 今度生ピアノを入れるといっていたのでジャムセッションに来てみようかな。
店にはもうひとつ入り口があるらしく、帰りはその階段を上がってみたら右のような入り口だった。どうやらこの東側の入口が正門か。 帰りにくれた案内のチラシに寄るとここのホームページがもうあるらしく、家に帰って早速見てみるとライブの案内、メニュー、落語等スケジュールがもう載っている。 ジャズ徒然草にも写真満載で地図入り紹介が出ている。 職場や自宅から遠いのが難点だがBitterSweet共々、時々行きたくなる店だ。

横浜関内 Bitter Sweet

コーヒーが主体のジャズ喫茶は神戸ではまだまだ健在だったわけだが、東京近辺では哀しいかな減るばかりだと思っていた。 いつもチェックしている「ジャズ喫茶での独り言」という掲示板で横浜の新しいジャズ喫茶の報告あり。早速、と言っても報告からもう1ヶ月以上はたっていたが、行ってきたのだった。 入口の看板が洒落ている。 2階に上がると、カウンターとテーブル席で結構広い。 昼食を食べる時間が無かったので何か食べたかったのだが、見事に腹の足しになるものは何も無い。 仕方なくコーヒーとチーズを頼む。 チーズ盛り合わせ1000円なりはプロセスチーズのスライス5枚、スモークチーズのスライス5枚にクラッカー3枚。 ジャズ喫茶に食べ物を期待するほうが間違っていた、スマンスマン。 しかしコーヒーは美味しいぞ。 音も良い。 ガラードのターンテーブルが2基。マッキントッシュのアンプにヴァイタボックスのスピーカーで自然な音が疲れない。 一人いた客が帰るとマスターはリクエストを聞きに来る。 いいねえ、昔のジャズ喫茶の雰囲気だ。

5000枚のLP、新譜はCDというコレクションはマスターが昔から集めていたもので、この店は脱サラで始めたという。 私もレコードは1500枚持っているというと「アナログ派ですか」と聞かれるが、 家では違いがわかるほどの良い装置で聞いている訳ではないので最近はCDばかりと答える。 Scot LaFaroが入ったBill Evans TrioのMore at the Village Vanguardを頼む。 そんなに大きな音ではないのだがScot LaFaroのベースの弦の震えが伝わってくる。 上の写真は置いてあった絵葉書のものだが奥に見える黒い箱がスピーカーだ。
横浜関内からすぐで近くにはやはりジャズのLittle Johnもある。 左は絵葉書の裏の案内で、マッチはと聞くと置いていないとのこと。 私もタバコを止めてしまったぐらいで、マッチが有る店のほうが少なくなっているのかもしれん。 HPに載せたいのだがというともう既に詳細に報告している人がいた。 ジャズライブ徒然草のお気に入りジャズスポットの紹介で、ここには写真満載でここが紹介されている。


<残念ながら2005年10月に閉店した>

神戸三宮

Mokuba's Tavern
震災前は三宮サンプラザとセンタープラザの間の道を少し海側に下ったビルの地下に「木馬」と言う店がありこのページの下のほうで紹介している。 震災でこの店はだめになり移転したと言う記事がAmuseに載っていたのでメモしていたのだった。 洒落た店が昔から沢山あったトアロードの西側は殆ど店が無かったのに、いまは新しい店が出来て今や人が集まる町に変身していた。
そのトアウエストとは初めはビルのことかと捜し歩いていて発見。 そう思って見まわすとなるほどこの一帯がトアウエストかと納得した次第。 前の木馬の入口はそっけないものだったが、どうだいこの洒落た入口は。いいねえ。
よく見えないが店内のオーディオシステムのある辺り。 右のほうから左に曲がるカウンターがあり、上にはレコードがギッシリ詰まっている模様。 カウンターの奥にはちっとも変わらないマスターがいた。
掛かっていたのはジョアンジルベルトだが、音は昔に比べて至極小さい。
これが昔木馬で鳴っていたスピーカーだったのだが、今は飾りと化していた。 店は前より広くなったが、現在のスピーカーはブックシェルフ型が2セットで、次に掛かったのはStingのBring on the Night。 今は亡きKenny Kirklandのピアノが熱い演奏だ。
ここのコーヒーも美味しく、 本を読んだり書き物をしたりしてながらコーヒーのお代わりをして長居したい店だ。

ここも閉店したらしい(2005/5)

所沢

Swan

Swing Journalの広告などで昔から名前だけは良く知っている店だったがようやく行くことが出来た。新所沢という都心からかなり遠いところにあって、近所に住んでいないとなかなか行けない。 その先の狭山市という駅に用事ができたので仕事を済ませた後ようやく新所沢に行けたのだった。

入口からして歴史を感じさせる。 うぐいす色のビロードが張られたアールヌーボー的椅子がいい。テーブル3つとカウンターという懐かしい店内。 アルコール類も種類が多く、つまみも多いようだ。関西弁のマスターが常連らしい客と話している。昔は私もTrioのカウンターで良く粘ったものだ。

Pat Methenyと Charlie HadenのBeyond the Missouri Skyがかかっている。 これは最近の私の愛聴盤のひとつで、JBLの大きなスピーカーで聴くとCharlie Hadenのベースの凄さがよくわかる。 メロディーもコードも簡単なポピュラーな曲が多いのだが、Patのソロはあまりアウトすることもなくきれいなメロディを次々に紡ぎ出す。 夜中に本を読みながら聴くのに最適だ。

さすがにフラッシュを焚かないと暗い。 ちょっと明るくしてコントラストを少し強くしてみた。 左奥に見えるのがJBLのスピーカでその下にドラムセットが置いてある。 右下にあるのがアップライトピアノで、金、土、日にライブを演っている。 スケジュール表をみると10月には大磯で聴いた小キングのドラムが出ているし、11月には同志社大学時代に向井茂春と一緒に演っていて、私も知合いの米田正義も出ている。 こういう狭い店でのライブは演奏者と客の距離が近く(当たり前だが)アットホームな感じが楽しいのだ。

神戸三宮

Pisa
神戸三ノ宮のPisaはCorcovadoのマッチの項に既に書いてしまったが、大学に入ってから三ノ宮で始めて入ったジャズ喫茶だ。 暗くてゆったりとした2人掛けのソファーは多くの男女が2人だけの世界に入るのに最適であった。 地下の小さい店だったのに一度アマチュアが集まってオールナイトのジャムセッションをやった時には狭い入り口からアップライトのピアノも入ってしまったのには驚いた。 当時はジャズというものは我々にとって勉強するものであり、知らないレコードがかかるとまず演奏者の推定、わからなければジャケットを見に行く、ということを繰り返していたものだ。学校にいなければ神戸のジャズ喫茶のどこかには必ず居ると言われた時期もあった。

神戸三宮

加納町

人形の家
三ノ宮加納町にある人形の家は喫茶店ではなく、当時からジャズバーだった。マスターの徳大寺氏は自らテナーサックスを吹く。 私がジャズを始めてまだ1年目ぐらいにバンドでこの店に2度ほど出演した。 当時まだ高校生だった故大村憲司もいっしょだった。彼はその年のヤマハ主催のライトミュージックコンテストでカウントロックバンドというギタートリオで出てロック部門で1位だった。(ちなみにその年の優勝はフォーク部門で後年ハイファイセットと分裂する赤い鳥だった。) 我々の演奏は今から思うと稚拙で、見かねた徳大寺氏はチャーリーパーカーかなにかのコピー譜を取り出し、バップはこう吹くのだといってバリバリと吹いてくれた。 徳大寺氏曰く、「ギターの大村だけでいい」、つまりあとは要らないということ。 当時大村はロックと言うもののウエスモンゴメリー系統のソロでバリバリだった。

東京銀座

1081
このスケジュール表の21日にはスタンダードジャズ、マンモスプリンというわけのわからないバンドが出ているが、これは何を隠そう岩井氏と私を含むバンドである。 この頃は2週間に一度渋谷のエピキュラスで練習しており、その帰りに寄った喫茶店にあったメニューで”なんだこれは”ということになり、発作的にバンドの名前になったのだった。 この店には2,3度出演したが、あまりに客が来ないので首になりました。

神戸三宮

加納町
アルバトロス

三宮の象ビル(入口に象の大きな置物が有った)の2階。ふっかふかのグリーンのカーペットの高級ジャズクラブ。 この店がオープンしたとき、同志社大学で向井茂春と一緒に演っていたピアニスト、米田正義がレギュラーで入っていたが、都合で私に替わったのだった。 クリスマスにピザ屋での演奏と掛け持ちをしたことがあり、そのときはワンステージが終わるとマスターが貸してくれた自転車で疾走したが、車で一杯の夜道で怖かった。 ここで1年近く弾いていたが夏休みを取ったときのトラ(エキストラのこと)の手配の不手際で穴を空けてしまい、首になりました。 雑誌アミューズによればまだ健在で、ママの歌(昔は私が伴奏をしておりました)も聴けるとのこと。

<残念ながら閉店し、そのあとはミッドナイトサンというジャズクラブになっている>

神戸三宮

木馬
いまはMokuba's Tavernという名前になって健在ということを雑誌Amuseでみたが、神戸三ノ宮の再開発ビルサンプラザとセンタープラザの間の道を海側に少し下った左側の地下に木馬はあった。 東京から来たというダンディーなマスターが(東京ではなかったかもしれないが少なくとも関西ではなかった)始めた、比較的新しい店で三宮のジャズ喫茶の中では垢抜けたところだった。 暗すぎず、うるさすぎず、どの席でも良い音で聴くことができた。

大阪 庄内

ブルーノート
大阪音大の近くにあって、音大生がたむろしていた。マスターはアルトサックスを吹き、我々が神戸から遊びに行った時には、いろんなテーマを次から次へと吹いてくれて、大曲名当て大会と化したのでありました。 旧神戸元町トリオのマスターと先日亡くなったピアノの酒井はこの店の常連だったそうだ。酒井がまだ高校生の頃だった。

神戸三宮

May Hwa
昔テレビにも出演したことがあるメイ・ファさんのジャズスナック。中山手通りに面した中華料理屋と繋がっており、中華料理がうまい。神戸在住の筒井康隆さんが贔屓にしているという話を聞いているが私は出くわしたことがなかった。もともとジャズに店ではなかったと思うのだが、神戸大学軽音楽部のFull Band、BossaNova、ジャズの面々がアルバイトにカウンターの中に入り、バックグラウンドにジャズをかけはじめたのがきっかけ。
私も一時ここでピアノを弾いていたことがある。1階はカウンター中心だが2階にはソファーもあるスペースがあり、盛り上がるとここでどんちゃん騒ぎになったものだ。

大宮宮原

Pastorius

高崎線で大宮の一駅先の宮原駅から5分ぐらいの住宅街ののようなところにある倉庫状の建物。 2階はスタジオにして普段はこれで稼ぐのだろう。火曜定休日以外は毎日ライブがあるようだがこんなところに客が入るのだろうかと心配。 案の定金曜日だと言うのに私とバンド関係者1人を含めて6人の客。 テーブルが9つほどあるのだが。 マッチが欲しいと言うと作ってませんとのこと。 そう言えば私ももう煙草を止めたのだし、店のマッチが無いところは増えているのかもしれない。 左のはコースター。ホームページも有る様だ。

8時から演奏が始まり、HerbieHancockのSpeak Like A Child、 Butterfly、ピアノのオリジナルのMoon Shell(赤い月だと言っていたから、英語ではないのかもしれない)、最後にルパン3世のテーマ(おいおいそれは無いだろう。金を取って演奏するのだから)。 Hancockの曲はコードが進行していくと言うよりはハーモニーが流れていくといったほうがいいもので、コードが変わったからといってハイ変わりましたというソロをしては行けないのだ。 HancockはDelayed Resolveといってハーモニーが変わってもその前のハーモニーあるいはその代理コードでソロを続け、その後次のハーモニーに解決するというソロが多い。 これにより緊張感が出るし、解決したときの喜び感(カタストロフィと言うんだろうね)が出るのだ。 このバンドはメンバーそれぞれが勝手に演奏しており、インターアクションが希薄。 ソロのドライブ感も無い。 これでドリンク、ナッツ+チャージで2990円は無いだろう!と腹を立てて店を出たので外観の写真を撮るのを忘れてしまった。

後日外観を撮影した。

東京

1969年
大学2年の夏は東京の親戚を宿にしてジャズ喫茶巡りをした。残念ながらこの時のマッチは残っていない。
新宿 VilageVanguard
本場ニューヨークほどではないが名前は知られていたように思う。
正方に近い四角い店内で店の真ん中に柱があり、一部床が高いところには手摺りが付いていた。こんなことしか覚えていない。
新宿 VillageGate
ビルの2階にあり、こっちは細長い店内だった。とはいっても幅も結構あった。
新宿歌舞伎町BabyGrand
ビルの4階か5階にあった。名前の通りグランドピアノも置いてあった。
渋谷オスカー
渋谷西口、住友銀行と横浜銀行の間の通りを西に行った突き当たり右側、ストリップのOS劇場の3階だったかにあった。広い店内でライブをやっていたはずだが、無くなった後はピンクキャバレーの様なものが入ってしまった。
渋谷百軒店ムルギー
道玄坂から百軒店を上って左に折れると、右側にカレーで有名なムルギーがある。もう崩れ落ちんばかりのビルで暗い店内に驚いてムルギーと名のついたカレーを頼むと、注文を取りに来たおじさんが「ムルギー、卵入り。ムルギー、卵入り」とつぶやく。そうかムルギーは卵入りなのかと思って「ムルギー、卵入り」と答えてしまう。ところが卵はあくまでオプションで、別値段が加算されてしまうのであった。
渋谷百軒店Swing
ムルギーの奥の右側に音楽館があり(音楽間の項に書いたように1階はBlackHawkだった)少し行った左側にSwingはあった。店内はなんということもない普通の喫茶店のたたずまいだった。その後、宇田川町に移転してからはジャズビデオを見せる店になり、年令不祥なアールヌーボー風ママさんと猫がいる店だ。ブルーノートのHPに情報有り。http://www.bluenote.co.jp/city/swing.html
中野Evans
中野ブロードウェイの2階か3階の端にある普通の小さい喫茶店風の店だった。ガラス越しに他の店や買い物客が見えた。 ここでリクエストしたのがBob BrookmeyerとEvansのダブルピアノのIvory Huntersで当時まだ貴重盤だった。
銀座Junk
大学2年のヒヨッコにはこの界隈とこの店の雰囲気は緊張を強いるものだった。ステージに近いところで一人水割りかなんかをちびちびやっていると奥のカウンターに座っていた豆腐屋の兄ちゃんがピアノに座った。 わかりますね。佐藤允彦氏だ。まだ毛が有った荒川さんのベースに富樫雅彦の木を叩いているかのような音がする高くチューニングしたスネアドラム。 これはすごかった。 レコードになっている音より数段良かったと思う。
新宿Taro
昼間の部に入ったら私が最初の客で、しょうがないので始めようかとテナークァルテットが演奏を始めてくれた。一人の客に対して結構熱の入った演奏で贅沢なことだった。 昼間の部はこんなことが多かったらしい。
東京白山 映画館

とうとう行って来ました。 仕事の帰りに地図(Mapionで調べた)を頼りに水道橋付近から歩く。 これはちょっと遠かった。 左の看板を発見したときにはホッとする。

映写機、編集機など映画関係のアンティーク、全部動いているアンティーク時計が5台ほど。足踏みミシンを利用したテーブルが奥に3つ。 古いメカ式のNCR製レジ(Nationalでないところが惜しいね)。カウンターの上にもレコードをぎっしり収納する昔ながらのジャズ喫茶。 サイホンコーヒーがおいしい。 居心地がいいのでもう少し近ければ常連になるところなのだが。

神奈川 大磯町 Strange Fruits

大磯駅の南西、国道1号線沿いにコンクリート造りの3階建ての目を引く建物が有る。 これが秦野から移転してきた「すとれんじふるうつ」で、ここにあるのは数年前から知っていたのだがその頃は忙しくて行けず、遂に8月の終わりに行ったのだった。 1階は自然食品店で2階が3階までの吹き抜けの大空間。

ドでかいアルテックのスピーカーが正面にあり、その前にバンドの演奏場所がある。 このスピーカーはあまりに巨大過ぎて、秦野の店ではウーファーの両サイドの箱(左の写真のThe Voice of Theaterのラベルが張ってあるもの。その外の暗いところがウーファーで更にその外側にこの箱が左右にある)は入らないのでよそに預けてあったそうだ。 それでもこのスピーカーを搬出するには入口を壊さないとだめだったらしい。

グランドピアノがありその右は3階席のバルコニー。とはいっても、一杯になることはあまり無いらしく、上の看板の写真で足だけが写っている犬だけが客だったと言うことも少なくないらしい。

ホームページも有って、ここが主催するJazz-In大磯(98年11月が第1回、99年の5月に2回目があり、更に10月にもやるとのこと)の写真も満載。 店内がもっとクリアに写っている。

この日は「小King」と言うバンドの演奏。 ピンぼけになっているが、松田信男(ピアノ)、佐野篤(ベース、ギター、ヴォーカル、太鼓)、つの犬(ツノケンと読むドラム)のトリオで第1セット、第2セットでは佐野聡(ベースの聡の弟でトロンボーン。後で私のバンドの川崎氏に聞いたら日本で5本指に入る名手だとのこと。確かに上手かった)

本当は左のような大編成なのだがいろんな形で演奏しているらしく、1人の時はソロキング、2人はチビキング、3,4人では小キング、1人足りないとほぼキング、8人そろって大キングと呼ぶのだそうだ。左端のスキンヘッドが佐野篤、左から4人目が佐野聡、その右が松田信男、右から2人目がつの犬(色が黒いわけではない)

ドラムは細かい音が結構入るジャズ、ピアノはライルメイズというべきか、ソロはあまりないがサウンドとリズムで勝負という感じ。 ベースとギターは殆どリズムのみで、曲は1発節か循環コード。その上をスキンヘッドが目をつむってドラ声で歌う。「 いどみずー」「どろみずー」あるいは「まゆつば」と歌うと他のメンバーが「まゆつばー」とハモる。 トロンボーンはジャズのアドリブソロ。 これはPat MethenyにSecret Storyの日本版だな。 わかる人にしかわからないが、あの子供の声(ライブでは男性2人の裏声)が日本語歌詞のドラ声に変わり、ギターソロの替わりにトロンボーンソロが入ると思えば良いのだ。 9月20日には吉祥寺のMANDA-LA2でフルメンバーによる演奏があるようだから、毒気に当てられたい人には薦める。


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