マッチが(残ってい)ないジャズ喫茶(15)

大阪

天王寺

トップシンバル

大阪天王寺のトップシンバルには大昔に行ったことがあって、マッチも
掲載しているのだが、店内の様子など全く忘れていた。 地下鉄天王子の駅から上がってくると、JAZZの文字が目に飛び込
んでくる。 上左の年季の入った看板と、上右のしゃれた看板があり、これでもかと後ろの壁にも黄色い紙でポスターが貼ってある。 ビルの中に入るとそこにも左の看板がで間違いようも無い。階段を降りるとその壁面は数十年にわたる蓄積があって、その上に無造作に手書きのポスターがべたべたと貼られているのが、オジさんくさいがそれもご愛嬌。
中に入ると洋酒のボトルとCDに囲まれた丸いカウンターにマスターが。 これこそジャズ喫茶のマスターと言う空間だね。
奥にはストレートなカウンターがあってその後ろには年季の入ったアナログレコードのコレクションが凄い。
オーディオ装置がこれ。アナログレコードプレイヤとCDプレイヤ、その下はアンプだろう。 イスは黒いビニールで煮出したようなコーヒーが懐かしい。 タバコの煙が辛くなっているところが昔との違いだけど、つい居眠りしてしまう気持ちよさだった。

(2007年6月) 
2008年10月に閉店した。残念。

神戸
西宮

笹舟倶楽部

阪急西宮北口から宝塚に向かって2駅の甲東園から南に戻り、門戸厄
神駅との中間あたりの住宅街の真ん中にこの店がある。入り口前にはカヤックの骨(折りたたみカヌーの骨組み)やパドル(カヌーの櫂)が飾られており、もともとカヌーの同好会だったという店の
名を現している。
 これがオーディオ装置だが、入ってしばらくは無音。コーヒーを頼んでから、掛かったのがなにやら

環境音楽のようなものだったので、お願いしてジャズを掛けてもらった。 掛かったのはヴィブラフォン奏者Dave PikeのPike's Peak。これはピアノがBill EvansでベサメムーチョをやっているのでおもしろいCD だ。手作りのスピーカーが、市販のスピーカーボックスの上に乗っていて。その上に乗っているのは、前のがTime Domain理論に基づくスピーカー。後ろがガラス球にスピーカーを埋め込んであって、照明が変化するというもの。

奥にはCDとアナログレコードも並んでいて、照明の下にあるのもTime Domainの小さいスピーカーだ。

足元にあるのが焼き物のスピーカー。 カタログも置いてあるので、注文することも出来る。
アナログレコードのプレイヤーは2台並んでいるのだが物置と化していて、普段は使われてないのだね。
店のカウンターは特注のむくの木なのだが、食玩やおもちゃ類で占領されていて、もはや接客用には使えない状態だ。椅子は一つ一つデザインが違う木の椅子で、聞くとカタログをインターネットで検索してくれる。

店の奥のトイレの前あたりの状態で 本が山になっている。
Bookoffでこの店に並べておきたい本を物色してくるそうで、お客さんがここを図書館代わりにするらしい。 そのほか自転車だの、昔のドーナツ盤だの、大人も子供もつい時間を忘れて夢中になるものが山積みだ。 今日も直前まで小学生がたむろしていたそうな。Webページはこちら http://www.sasafune.com/ 店の中にあるものの紹介もあるし、店主のブログとmixi日記もあるからこちらも時間をかけて楽しめる。

(2007年7月) 

神戸
三宮

Java

神戸三宮にはJRと阪急の三ノ宮駅が共に高架であり、その高架下商店

街は、元町駅から神戸駅まで続き、(阪急の高架は元町まででで終わり、神戸まであるのはJRの下)ジーンズ、アクセサリ、靴の店がひしめく若者向けの店から、ジャンクを扱う怪しげな店まで楽しいところだ。
そのなかにかなり昔からこのJavaは営業していたというのだが、神戸をうろうろしていた30年前には知らなかったなあ。 阪急三ノ宮駅のあるあたりの高架のJR側。 高架と高架の間に入り口がある。 なにやらトロピカルな植物が店の前を覆っていて、茶房ジャヴァの看板文字がいい雰囲気を出している。

店内は細長くて、奥にスピーカーがあるようだ。照明、椅子などレトロな雰囲気が素晴らしいね。おしゃべりを邪魔せず、だけど音楽としてちゃんと聞ける絶妙の音量で流れているのは50年代のジャズだろうな。

店を入った正面にオーディオ設備がガラスケースに入って鎮座しているが、普段は使ってないようだ。

壁に貼られているのは昔のジャズのドーナツ盤。貴重なものだろうね。 私も昔のポップスのドーナツ盤を数十枚持っているが、ジャズはMJQのピラミッドぐらいかな。もっともこれはサイズは小さくても33回転(正確には33と3分の一)盤だった。

コーヒーカップはソーサーにロゴが入った形もレトロなもの。 レシートもレトロな雰囲気が良いね。 コーヒー430円。上の小さいカップに入っているのはコーヒー用クリーム。関東のものに比べて濃いのが特徴で、コーヒーに入れると上に浮く。


姉妹なのだろうか、元気なベテラン女性3人がいらっしゃいませ、ありがとうございました、と丁寧に応対してくれるのもうれしい。

(2007年7月) 

京都

衣笠

Your

2006年の2月に一度この店を目掛けてバスと電車を乗り継いでいってみたものの、休みだったのでがっかりということがあったのだが、今回は平日なので大丈夫だろう。

堂本印象美術館、竜安寺、金閣寺と廻った後、立命館大学のキャンパスを横切ると、有りました。 今日はちゃんと明かりがついている、日曜日が休みなのだそうだが、前に来たときは電気は消え、入り口前にゴミ箱が置かれていたのだった。

広い店内の突き当たりはカウンターと厨房があり、右側にアップライトピアノとその横に大きなスピーカーが置かれている。天井からぶら下がっているスピーカーは、ライブ演奏するときのモニターとして使うのだろうか。

スピーカーの奥にアナログレコードが詰まっていて、その奥にガラスに囲まれたオーディオルームがあるようだ。アナログレコードがあることで店の歴史が偲ばれる。

ライブでは立命館大学のジャズ研などが活躍しているのだろうか。

店のテーブルと椅子は特注らしい木製のもの。テーブルはなにやら学習机を思わせる雰囲気だね。 椅子はベンチシートで長く座るにはちょっとお尻が痛い。

店の壁はスピーカーとピアノの後ろ(レンガ壁)を除いてすべてこのようなウッドブロックを積み上げたようなデザインのもの。床もフローリングで壁もフローリングのような木材だから木だらけといえる。学校のすぐ横にあるから学生がたむろすのだろうけど、長居をさせないように椅子が硬くなっているのかな。

ここでコーヒーを飲んで一息つくと、歩いた疲れも吹き飛び、さあもう一踏ん張りという気になるのだった。

(2007年6月) 

大阪

心斎橋

In Our Time

閉店するジャズ喫茶も少なくないこのごろ、新しくオープンする店も次々出てきて嬉しい。(残念ながら2007年9月に閉店したとのこと)
この店もその一軒でジャズヴォーカル専門。大阪心斎橋の大丸とそごうの間の道を東にまっすぐ行って三休橋筋を左に折れるとすぐ右側のカネコマビル3F。 ちゃんと看板か出ていて、階段を上がっていくとクリスコナーの写真が迎えてくれる。

階段を上がりきると入り口の前にはレトロな雰囲気の看板照明も嬉しい。

アナログレコードもぎっしりの棚。の左右にはJBLの小型スピーカー (S143MK2だそうだ)。 これが柔らかな音でヴォーカルを聞かせてくれる。その奥には真空管アンプ、レコードプレイヤー、CDプレイヤーがあり、更にその奥はCDもぎっしり詰まっている。IBMのノートPCが見えるのは、ここのWebページを更新するためにも使われているのだろう。

Web Pageは
http://cafeiot.web.fc2.com/
で、イベント情報(時にライブあり)、ギャラリースケジュール、メニューなど情報満載。

レコード棚の左には書斎スペースがあって、ここには映画関係の本が一杯。 本は他にも、上のPCの右側の棚にも詰まっている。 映画やミュージカルとジャズヴォーカルは切り離せないからなあ。

コーヒーは店のロゴ入りプレートにシュガーとクリームを乗せて、これもロゴ入りプレートに乗ったワッフルとのセットで500円というのが素晴らしい。
これが店の奥でまだまだCDがたくさんあるのが鏡に映っている。左がカウンタースペース。右がギャラリースペースの一番奥で今回はレコードジャケットデザインが展示されていた。
ギャラリースペース真ん中あたり。
入り口は行ってすぐ右からギャラリースペースが始まっている。

(2007年6月) 

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